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日々の足跡
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BL小説ではありません。

ずっと同じ生活が続いていくものだと俺は思っていた。

今日、このときまでは



「ふーっと、今日はこれくらいにしておこうかな」
肩に掛けていた籠を地面におろして、レインは息をついた。
一緒に薬草を取に来ていたカレンがレインを見た。
「レイン、取れた?」
「取れた取れた、見てよこの籠。これで都市に売りに行く薬ができるよ」
そういって見せた籠の中は、薬草だらけ。
その様子にカレンは頬をほころばせた。
「私も結構取れたから、これで明日から薬つくりね」
「そうだね。けど、効くと思う、この薬が」
「今、都市で流行ってる病って今じゃ隣の村にまで侵食してるけど
うちの村じゃ全然流行らないのよね。それって変じゃない?
お役人さんも、内の村に何度も足を運んではそれ原因を探している
みたいだけど、未だに謎のままだし、後の理由としたら」
「まぁ、残る理由としたらこの村でしかはえない薬草としても
お茶としても使えるこのミョンヤンの草が俺たちが
病気にならない理由っていいたいんでしょう?」
「そうそう、明日は村で総でで薬草作りになるみたいだしさ」
「薬草か・・・・・」
「レイン、どうかしたの?」
「いや、早く病気の人が治ればいいなと思ってさ」
「そうだね、治ればいいよね」

本当は知ってるけどいえない

この村だけが病にかからない理由を

「おー、レイン今帰ってきたのか」
「あ、ヤクさん。こんにちは。今、薬草を摘み終わった所です」
「今、都市の偉いお役人さんが来ていてな、村長と話をしている所だよ」
村長の家の方に視線を向けると、赤と黒で彩られた都市の役人のマークが
付いている車がとまっていた。
「いつもは馬車で来るのに、今日は車ですか・・・・?」
「あぁ、今日はどうやら階級の高い人間と一緒に来ているみたいなんだ」
「階級の高いって、役人より偉い貴族の人ですか?」
「マジで!貴族様って綺麗な人ばっかりなんでしょう!!!」
俺の言葉にカレンが食いついてきた。それを見てヤクさんも興奮する。
「昔、空から舞い降りてきた一人の美しい女性と結婚した血筋の生まれだ。
俺たち人間とは違う、選ばれた人達だからな~、俺も一目見てみたいもんだ」
「空から舞い降りてきた女性との血筋ですか」
「そうそう、うち等とは比べちゃいけない素敵な存在なのよ。まさに神よ!」
「只の言い伝えだけど、貴族人間は皆、平民や役人よりも容姿に優れている
そして頭もきれて運動能力も高いのは確かだからな、うらやましいもんだよ」
「まるで選ばれて生まれてきた人間ですね」
「けど、そんな凄い人でも今の病をどうにも出来ないときている」
「人間ですからね。出来ない事もあって当たり前だと思いますよ」
「あぁ、そうなんだけどね。ちょっと優越感を俺は感じるね」
「ヤクさんてば~、けどその気持ち分かります。
私たちの村だけ無事なんて不思議ですからねって、あ、出てきた」
村長に挨拶している黒服の役人とその真ん中に立っている、貴族だけが
着られる服の色。白の服を身にまとった男が立っていた。
男たちは村長と話しが終わると車に乗り、俺たちの方に近づいてきた。
「あぁ、顔が見たかったのにマジックミラーみたいなガラスで見えない」
「俺も、一度拝んでみたかったんだがな」
「後で村長さんに感想でも聞きますか」
キキィ!
俺たちの脇を通り過ぎた後、車はとまった。
俺達は無言になった。何故、このタイミングで車がとまったんだろうか。
「やばい、今の話聞かれてたんじゃ」
「うそ、だってエンジンの音で聞こえないって」
「どうやらどっちでもなさそうだよ」
車から白い服に身をまとった人物が降りてきた。
すらりと長い足と風で乱れる絹糸の漆黒の黒髪、宝石のような瞳、
まるで何処かの童話から出てきた王子様のような容姿に
カレンもヤクも俺も声がでず、ただその人物を見入っていた。
「あなたは何者なんだ」
その言葉は俺たち三人の中の・・・・
「え・・・・・?」
俺。レインに向けられていた。
男は切れ長の目を見開き、顔が驚いた表情をしている。
「何故、もう十数年も時がすぎているのに、子孫か?」

彼が驚いている理由はわかっている

それは俺の存在の理由

男は俺の腕を掴み逃がさないといっているように俺を食いみている。
「・・・・・・あの、俺が何か?」
「話があるから車に乗ってくれないか」
「え」
「いや、都市まで来てほしい」
「都市って!」
「都市の中枢にある私の部屋に来て欲しいんだ」
カレンとヤクはあわてている。
「え、え、何この状況」
「知り合いなのかレイン」
「いや・・・・・」
「レイン、それが君の名か?」
「・・・・・・・」
「悪いが拒否権はない、強制的に一緒に来てもらおう」
俺は有無を言わせない力で車に押し込められた。
「ユーレシア様、その方は」
「二人で話がしたい」
そういって運転手の顔が見える窓をカーテンでさえぎり
車は発進しはじめた。
降りることできるが、この男が俺の何に気が付いて車を
とめたのかにより、俺は村にいられるかどうかが変わってくる。
「君の名を教えてくれないか」
「レイン・アクレシム」
「・・・・・私はクレム・ユーレシアという。
私は君を祖父の遺品ので見つけた写真で見ている。
その写真は古い日誌と一緒に挟まれていた。
祖父がまだ幼かった頃の写真で、その一緒に写っていた
少年は月からの使者だと日記に書き記されいた」

『名はレイン。彼は人と違う力を持っている。
現代の医学ではどうしようもなかった病から私たちは助かり
大惨事は免れた。
彼の力はまだ誰も知らない。
私と彼だけの大切な約束だ。
だが、私は彼を裏切ってしまった。
彼の力が他の人間にばれてしまったのだ。
彼は今はもういない、この都市にも
今は何処にいるのだろうか、レイン』

「そう、そんな日記が残っていたんですか」
「レイン。あなたは子孫か?それとも・・・・」
「俺は俺だ他の誰でもない。その写真に写っているのも俺だよ。
俺は不老なんだ。そして人間でもない」
「不老って・・・・・・」
「傷も治りは早いけど、死なないわけじゃない。だから不老なんだ。
年はあるときからとまってしまっていて今じゃ、300歳をとうに超えている。」
その言葉を聞いた後、ユーレシアはふぅと息をついて落ち着こうとしている。
「あなたは誤魔化そうとしないんですね」
俺はその言葉に笑顔で答えた。
「誤魔化そうにも、嘘をついてしらを切ることができなさそうな人みたい
だからね、だから本当のことを聞いてもらおうと思ってね。」
「外見はどうみても・・・16か17歳前後のままなんですね」
「俺は年をとらないから、いろんな村を行ったりきたりしているんだ」
「ばれて都市から逃げて、別の国にでも行っていたんですか?」
「そう、この国に帰ってきたのは3年前になるかな。旅人をしているんだ」
「やっと理由が分かりました。あなたが居たからあの村だけ安全だったんですね。
教えてください。あなたの何が病にかからない健康な体にさせているんですか?」
「それを知ってどうするんですか?俺を牢屋に閉じ込めますか?
それとも綺麗に着飾って部屋に飾ってでもおきますか、貴族様は」
「・・・・っ!!!」
ユーレシアは自分の胸の内を暴かれてあわてていた。
俺はそれを静かに見ている・
「あたりって所ですが、俺は自然が好きなんです。
都市に行って何か欲しいものがあったりなんてしません。
そういうのにはもう飽き飽きしているんですよ」
「教えてください。何故、病にかからないんですか?」
「俺の匂いにはある特殊な作用があるみたいなんだ。
俺の匂いと同じ成分の香をたいているからまだあの村は無事だけど
それがきれる、あの村も危なくなってくる。だから」
「悪いですが、あなたを帰すわけにはいきませんね」
そういったユーレシアの顔が変わった。
さっきと違い、意志の強い顔をしている。
「あの村の人間に今のことをばらされたくなかったら協力してもらおうか」
「・・・・・俺を脅すきですか?」
「あなたはあの村の人間が好きなようですね」
「嫌いといっても、あの人達をたてにするきなんだろう?」
「はい、私は一国の主になる人間ですからね」
「・・・・え?一国の主?」
「私はこの国の王の後継者ですから」
「この国は女のみが王になれるはずでは?」

「何を言ってるんですか?」

そういうとユーレシアは俺の手を自分の胸に当てた。
俺はその感触に顔を真っ赤にさせた。

胸が、胸がある!!!

「私は女ですよ、レイン」
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