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・BL小説
・本編とは関係ない番外編
:注意:
血やナイフが出てきます!
苦手方はお気をつけ下さい!!!
――― キーン コーン カー・・・ン
授業が終わり、クラスメイトは皆、帰宅しようと席をたって教室を出て行く
「楓、俺たちも帰ろう」
「あぁ、はい」
俺は慌てて、鞄に教科書などをつめて教室のドアの前で立っている
栄治さんに駆け寄った。
「あぁ~、もうマジで癒されるな~楓が俺に駆け寄ってくる日が来るなんて~」
そういって、栄治さんは何故か感動に打ち震えていた。
―― 栄治さんって、楓さんとどんな幼馴染なんだろ・・・・
廊下を歩きながら、学生玄関に向かうが窓の外にバイク置き場が見えた。
さすが金持ち学校。自転車なんて一台もなく、高そうなバイクがズラズラ並んでいる。
校門の前には何台もの車が列をなして、学生を乗せている。
なかなかの規模の違いに、頭が痛くなりそうだった。
「おーい、真。今日は行くの~♪」
声がする方に視線を向けるとバイク置き場に近づく三人の男達がいた。
「あぁ、あいつのとこ?信は暇なわけ~?」
真と呼ばれた男は制服を着崩し、髪は明るいブラウンに染められている。
その男の後について来ている男二人は一人は短髪で銀色に染め、
もう一人は長い髪を後ろで束ねている。
銀色に染めている信という男が答える
「あれは傑作だったよな~、すぐにぶっ倒れたからさー」
その返答を聞くと髪の長い男がニヤニヤとしながら答える。
「信は行く気満々だと俺は解釈しました~♪」
「信も卓も行く気満々っすね~」
俺はその会話を黙って聞いていた。
その様子に栄治さんも窓の外に視線をやる。
「あいつら、三馬鹿トリオじゃんか」
「・・・・・知ってるんですか?」
俺は栄治さんにそう聞いたが、視線はその三馬鹿に向けたままだ。
「あぁー、テストでいつも最下位をとる奴らだ。
最下位を毎回横列であいつらが並ぶもんだから、
そんなあだ名が作られたが・・・・あいつらが気になるの?」
「・・・・・っていうか、会ったことも話した事もあります」
「・・・・え?」
そう、あの三人とは会ったことがある
「俺はついこの前、あいつらに捕まってナイフで刺されましたから」
それは、忘れもしない4日前のことだ・・・・・
俺は学校帰り、樹たちと別れてCDショップに向かっていた
そして、その日は雨が降っていて視界が悪かった
俺は人の波に逆らっていたので歩きにくかった。
人にぶつからない様によけながら歩いていたんだが
―― ドンッ!
俺は人とぶつかってしまったので、慌てて謝った。
『すいません、大丈夫・・・』
『・・・・・・』
相手の顔を見るが黒い傘で鼻から上が見えなかったが
―― 口に笑みが浮かんでいる?
『ねぇ、君が「赤髪の新聞部の 新田 庵」?』
「・・・・・・そうだが」
『へへ~、やっぱりな~』
男はそういいながら、またニヤニヤと笑い出した。
どうやら、こいつは俺にわざとぶつかって来たらしい
俺はその男の態度を不快に思い、その横を通りすぎようとした
・・・・・・・だが・・・・・・・・その瞬間
――――― ド ス ッ !!! ―――――
『逃がしませ~ん♪』
『ッ!!!!!!』
その声と共に俺は脇腹に痛みを感じた
横を見ると、髪の長い男と銀髪の男が楽しそうに笑いながらたっていた。
痛みがする脇を見ると、小型ナイフが刺さっている。
『これは警告です。もう二度と楓様の近くに近寄るなよ』
傘で顔が見えなかった男がそう言うと、それが合図だったかのように
その三人は走って俺の視界から消えた
楓さんを崇拝しているのは、この学園以外にもたくさんいる
制服を着ていなかったあいつらが何処のどいつかなんて検討つかなかったが
「まさか、こんな所にいたとはな・・・・・」
俺の説明を聞いていた栄治さんが恐る恐る俺に質問してきた。
「なぁ、その『刺された傷』って治ったのか?」
「・・・・・いえ、まだ。というか、楓さんと交換する前までは包帯巻きつけて
自然治癒能力で治そうと思っていたので」
「・・・・・ようするに放置状態にしていたと」
「・・・・・はい、全然治ってません」
俺は栄治さんの目を見れずに視線を下に向ける。
栄治さんはガクリを肩を落とした。
「何か薬塗ったか?医者は?」
「・・・・念のために持ち歩いていた薬は昨日塗りましたが、
医者の方にはまだ行ってません」
「すぐに医者に行ってきてくれよ~」
「はい、すみません。まさか、楓さんと入れ替わるとは予想外で」
俺がそう答えると、栄治さんは俺の肩に手を置いて自分の方に体を向けさせた。
その動作で自然と栄治さんの顔が視界に入る。
その表情は、何故か怒っていた
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「・・・・栄治さん?」
なんでこの子は、他人には優しいのに
自分には・・・・・
「庵君、そうなってなくても・・・もっと自分の体を労わってくれ
君に何かがあると、きっとアイツは・・・・」
楓はきっと泣くだろう
心の底から君を心配して泣くだろう
「アイツって?」
「・・・・君の事をとっても大事にしていて、いつも心配している奴だよ」
俺がそう言うと、庵は苦笑した。
「そんな人、いるわけありませんよ」
そう言った、庵君の表情はどこか寂しげだった
俺はそれを見て一度息を吸っては吐いて、また庵を見た。
「いるんだよ。俺は知ってるんだよ、お前のことそう思ってる奴を!」
「・・・・・はぁ」
その顔は全然、俺の言ってることを信用していなかった
言いたい
その相手が 三宮司 楓 だと
そうすれば、毎回学校に迎えに行くことや
楓が部屋にあげたことなどから
俺の言ってることが 本当 という 事実 であることが
分ってもらえるのに!!!
「すいません、そう言って貰えるの嬉しいですが・・・実感が・・・」
「わかった、今はいいよ。けど、もっと自分のことを大切にしてくれ」
「はい」
そういって庵は俺に優しい笑みを返した。
バイク置き場から、けたたましいエンジン音が響いてきた。
そして、三馬鹿の陽気な叫び声も聞こえてくる
あいつらが庵を襲った
「なぁ、あいつら今から何処に行くんだと思う」
庵を見ると、真剣な眼差しで
もう見えない三馬鹿たちを見ていた
「わかりませんが、『俺』の方に行ってないことを祈ります」
俺と庵は一抹の不安を抱えながら学校を後にした。
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「庵、今日の部活はどうする?」
「・・・・んー出た方がいいかな?」
俺の席の前に座っている樹君が「うーん」と悩んでいる。
「庵は今『怪我』してるからな~、病院行って見て貰った方がいいし
今日は休んだほうがいいと思います。先輩には俺から連絡しときます」
「そっか、ありがとう」
「俺は他に寄る所があるんで生徒玄関まで送りますよ」
そういって、樹君は席をたった。俺もそれに続いて席を立つ
「大丈夫、何度かきたことがあるから覚えているよ、ありがとう」
俺は樹君にそういうと、鞄を掴んで廊下にでた。
後方で樹君が「またな、庵」と言って手を大きく振っているので
俺も樹君に手をふり、生徒玄関に向かった。
下駄箱から庵の靴をだして、内履きを入れる
少し屈んで靴を履こうとすると脇腹がズキリと痛んだ。
俺はそれを上から優しくさする
「やっぱり、庵・・・・病院行ってなかったんだな~」
―― 部活とかが忙しくて、行く暇がなかったのかな?
庵は自分以外の人に優しい
けど、自分の事になると
まるで興味がないかのように無頓着なる
今回のこの傷がその例の一つだろう
そんな彼を見てると
心配で目が離せなくなるときがある
俺は庵の力になりたい
彼を助けたい
「・・・・よしっ、帰る前に病院に行って傷を見て貰うぞ!」
俺は靴のかかとを床にコンッとあてて、生徒玄関から出て門に向かった。
すると、門の前にはバイクに乗った三人の男がいる。
上着を着ていて最初は分らなかったが、上着から見える見覚えのあるズボン
―― うちの学校の生徒?
男達はエンジンをふかして遊んだり、門を出入りしている生徒を観察している
―― あいつら、ここの生徒に何の用なんだ?
俺がそう思ったとき、その複数の男の一人と目があった
すると男はその瞬間に ニタリ と俺に笑ってきた
「い~おり君、久しぶり~」
俺と目があったブラウン色をした髪の男がバイクから降りると、
後の二人も笑いながらバイクを降りて俺に近づいてくる
「・・・・・・・・・」
「あれ~れ?もしかして、俺たちのこと覚えてない?」
「お前達、誰だ?」
俺が真ん中にいる男を睨む、男はまたニヤニヤと笑い出して
自分の脇腹を人差し指でさした。
「こ~こ、 ドスッ! ってナイフで刺したの、覚えてないの~?」
「!!!!!!!」
その言葉を聞いた瞬間にカッと頭に血が上った
こいつ等が
庵を 傷つけた 人間!!!