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日々の足跡
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IFシリーズ

素直な彼「ストーカーはご注意を!」 1話目

もしも、楓にストーカーがいたらの話です。
こんなのストーカーか!とか突っ込みはなしでお願いします(ペコリ)




この頼みならきっと庵は頷いてくれる

そしたら、庵と一緒にいれる時間が増える

最初はそんな甘い考えでいたんだ


「俺なんかよりも、ボディガードを雇った方がいいんじゃ」
「炙り出したいんだ、そしてこんな事しちゃいけないと教えてあげないと」
「・・・俺なんかでいいんでしたら、協力しますが」

俺は今、ストーカーに付きまとわれている。
けれど、もう慣れたものだ。数えるのが面倒なほどあっているし、
ストーカーと言っても、一人だけじゃない複数いるんだよね。
面倒くさいにほどがある、勝手に人を「恋人」にしたりさ、
本当に文面も読むほど気力悪いこと書いてあるんだよね。
けど、庵が読んでくれたらもう全然気持ちが逆転してしまう
そんなに庵が俺を好きでいてくれるなんて!って妄想できる!
けど、音読してくれる庵の顔は渋くなっていく一方なんだけどね
そして心配気に俺を見てくる庵・・・・あぁ、可愛い

庵と一緒にいると出てくる出てくる、ストーカー人間ども
とある庵は本気にしていない噂がある

『三宮司楓は新田庵に片思いしている』

その噂の効果だろうか、業を煮やした男や女共がわけのわからないことを
言って俺の前に現れる。手には包丁、ナイフ、縄、銃、さまざまだ。
だが、俺がそんなものに屈することなんてない。元より来る事なんて予想していた
だから先手を打ってこいつらの近くに護衛役の人間をつかせて、現場をみせつけ
警察が来るように手配して次々捕まえさせる。
だが、一番しつこい男・・・・だと思う人間からの接触がない
念のために庵と傍に一緒にいて警戒していたら、庵に手を握られた。

「大丈夫ですよ。ストーカーが出てきたら俺が捕まえますから」
「あ、庵・・・・・」

俺は警戒してあたりを気にしていたのを怖がっているからと解釈してか
安心させるためにそんな優しい顔して手なんか握ったりされたら
もう、どうすればいいんですか!

「・・・・三宮司先輩?顔が赤いみたいですけど」
「ちょっと、ちょっとね。あの、気にしないでほしい」
「あ、手繋いでるの恥ずかしかったですか!すみません」
そういって、庵は手を放そうとするが俺はそれを両手で阻止する。
「手を繋いでくれたほうが・・・・あ、安心するから」
その言葉にぽかんとした顔をした庵はまた、優しく笑って俺と手を繋いでくれた。
「こんなのでよければ」

優しい庵の心を利用している自分が恥ずかしくなったなんていえない

手を繋いでゆっくり歩いてくれる庵の顔を盗み見る
赤い髪は印象的で一発で誰でも新田庵だとわかる。
そしてその前髪から見える綺麗な透明な瞳。
優しい言葉を紡いでくれる口。
優しく握ってくれる手に、喧嘩で鍛えた身体。
その全てがこんなににも俺を引き寄せる

――― 庵、大好きだよ

心の中でそっといつも横で想っている言葉

いつか、この言葉が通じればいいのに

 


俺は気づかなかったもう片方の腕に庵は怪我をしていたということに

 

 

三宮司先輩と別れて、俺はあたりを見渡した

―― 5、8・・・いや15ぐらいか

足音が後ろから聞こえる
いつもそうだ
三宮司先輩がいないときを狙って俺を潰そうとする人間がいる

正直、なんで俺なんだと思うが
きっとあの変な噂が広まっている所為だろう

俺が三宮司先輩の傍にいられるのは情報提供者として利用価値があり
そして、彼は俺を友達だと思ってくれているだけなのに
噂なんてただのでたらめだというのに、なんで誰も信じないんだ

あぁ、きっと滅多に笑わない彼が俺の前だと笑うからだろうか

それだけ気心知れて貰えて嬉しいけど

この状況はちょっといただけない

今は右腕を負傷しているし、正直、武器になりそうなものは周りにない

俺は足音を聞きながらため息を吐いて、そして、猛ダッシュで前方に走った。
角という角を曲がって曲がって曲がって、時には裏道を通って後ろから追いかけてくる
人間をまいていった。だが、まだ足音がする。
前方を見るとナイフを持った複数のガラの悪い人間が息をきらせながら、
俺がくるのを待ち構えている
俺は舌打ちをして、近くにあったゴミ箱を空中に投げた
男たちは「何処狙ってるんだよ!ノウコン野郎」と叫んでいたが俺の狙いはこいつらを

俺は斜めにジャンプして壁を蹴り、そして投げつけたゴミ箱を踏み台にして前に待ち構えて
いた男たちを飛び越えた。
その姿に皆、呆然として見ていた。

―― ズシャァアア!!!!

道路に落ちていた砂が俺が落ちた勢いで舞う
そして、俺はまた猛ダッシュでこいつらをかわす
普通、俺の家の前で待っている方が効率がいいと思われるが、俺はあまり家に帰らない
何処かの空き家などですごす事が多い、家なんていたって窮屈なだけだ
だから、俺の家まで来る人間はいなかった
それよりも学校に近くの空き家を探す人間が多くなった
何処を探したって無駄だって言うのに今、俺が住んでいるのは・・・・
俺は最近見つけた空き地とそこに乗り捨てられた車の中に入った

「はぁ、疲れた」

汗かいたけど、いい運動だったな
俺は椅子を倒して寝転がった
今頃、三宮司先輩は高級マンションの中だろう
それに比べて俺は・・・・まったく真逆だな

いや、比べる人間を間違えているんだな
あの人は俺みたいな人間といるべきじゃないんだから
それにしても、あの人数の多さといい、追われる数が格段に上がった
三宮司先輩がストーカーを捕まえるために頼まれる前から
確か・・・・・半年前からだったろうか
正直、戦うのが面倒になってくるし、逃げるなんてもっと疲れる

だが、怪我なんてさせたくないしな・・・・


俺は目を瞑って考え事をしていた所為で気づかなかった
空き地の入り口で俺の乗っている車をじっと見ている男がいることに

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