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IFシリーズ

素直な彼 「ストーカーはご注意を!」 2話目

本編とは関係のない話です。


こんなにいつもアナタを見つめているのに
どうして、アナタはきづいてくれないのでしょうか
こんなに好きなのに、好きなのに、好きなのに
でもいいんですよ
あなたもワタシのことを好きなんですから
しってますしってますよ
けれど、何故あんなオトコと一緒にいるのですか
いくら嫉妬してほしいからといってもね
困ったお人だ、そんなことしなくてもあいしているのに
だから、そのオトコいりませんよね

ワタシにもアナタにも

スキデススキデススキデススキデススキデススキデス
スキデススキデススキデススキデススキデススキデス
スキデススキデススキデススキデススキデススキデス
スキデススキデススキデススキデススキデスあいしています


だから そんなオトコ けしちゃいましょうよ


【ふふっ、あははははははあっははははははは!!!!】

 

 

 

 


気だるい午後の授業が終わった。終わったというのに、また始るのか
帰り道、樹たちと分かれてから後ろを睨みながら振り返る

「またか、何の用だ」

カンッカラカラーと金属音が鳴ったと思ったら背後からも前からも鉄パイプを持った
男たちが数名現れる。俺は相手に視線を向けると、相手は口に笑みをつくる

「約束なんてそんな生ぬるいことじゃ駄目だな、これじゃ。
 あなたの所為であの人は変わったんだからさぁ!」
「あの人は孤高の人、お前なんかと一緒にいちゃいけないんだよ!」

「・・・・・それで、他に言うことはあるか?」

俺は冷めた目で言葉を発したリーダー格の二人を見た。
その言葉が気に障ったようで目の宿していた憎しみの炎のが燃え上がる

「その根性、気に食わないんだよ!」
「やれ、そいつを叩き潰せ!」

どいつもこいつも、三宮司様、楓様、様付けって・・・あの人の何を見てるんだか
俺はため息を吐いてから前からも後ろから襲ってくる鉄パイプを飛んで交わした。
後ろにいた奴の持っていた鉄パイプを奪うと、前から襲ってくる男と後ろの男を激突させた。
カラカラ・・・カラン、俺は襲ってくる男たちを蹴り倒して残った男二人に鉄パイプを向けた。

「目に見えるものばかりおってないで、もっと違うものを見ろよな」

持っていた鉄パイプを道路に投げ捨てて俺は背中を見せた。

あれだけ力差を見せたんだ、もうこないだろう
けど、三宮司先輩の信者やファンは並みの神経を持った奴は少ない
あの人は最初は確かに三大美人に選ばれるだけあって凄い人間だと思った
何をやらせてもまるで昔からやっていたかのように、やりこなしてしまう
それに備えられた美しい外見。あれでほとんどの人間がやられてしまっている。
確かに美人だろう、だが、なんでだろうか神とか女神だとか・・・・・
正直、あの人は普通の人間だ。
ただ、他の人より器用なだけなんだと今は知っている。
「やっぱり、人間は外見が一番ってか?」
それならなんで俺、三宮司先輩に気に入られているのかわからない
俺はただの不良で一般の学生だ。特技とかあるわけでも外見がいいわけでもない。
そして、なんで俺が言い寄っているわけじゃないのに、あんな風に狙われるんだ
俺の外見で喧嘩を吹っかけてくるんじゃないんだよな
参った、三宮司先輩に言ってもいいが・・・・あの人に言ったら駄目だよな
こんな事で手を煩わせるのもあれだけど、あの人は生まれながらにして上にたつ人間だ。
俺とは違う、だからだとは言わないが非情で冷酷な一面がある
情なんて敵だと認識したらどんな事をしてでも掻き消し、相手を完膚なきまでに叩き潰すだろう
それをあいつらに向けられそうで、言えないと言う事も言えない
三宮司先輩に嫌われたくないから裏で俺を狙ってくるが、俺は場数は人の倍は踏んでいる
簡単にはやられない、それにあの行動も三宮司先輩を思ってのことだろう
俺みたいな不良と一緒にいたら先輩の株がさがるもんな、そりゃ必死になるか
全てはきっと三宮司先輩のためなんだろうな・・・だから俺は本気をだせない

俺と一緒にいても三宮司先輩にはなんの得もない、損ばかりだからな

「あの場所に三宮司先輩がいたら、あいつ等・・・どうなっていたんだろうか?」

何故かあの人は自分よりも俺に敵意を見せる人間に容赦がない。
いつも輝いている瞳が、そんなときは暗い凍てつく氷の様になる
その瞳に見つめられると皆、恐怖で顔を歪ませる

あの人は本気で怒らせてはいけない人だと知ってからは
いや、俺への強い執着心・・・に近い思いを見せてからはさっきみたいな奴らが減った
そして、逆の奴もでてきたんだよな

【楓様を幸せにしてください】

あの嬉しそうに頬を染めて笑顔で言い放ってくれた言葉

・・・・・意味がわからない

学校の勉強だけでも頭がいたいのに、何故こんなことになってしまったんだろうか

【こちらの学校に転校の予定は?同棲されるって本当ですか!】
【挙式はいつあげられるんですか?あ、高校卒業してからですか!】
【もう、ずっと応援しています!楓様をお願いします!!!】

男と男同士なのになんで結婚とか、ここは日本なんだが
けど、同棲はできるか。三宮司先輩は一人暮らしをしていて部屋が余ってるから
今、住んでいるいくつかのマンションのどれかに住まないかと言われた事がある
あのときの周りの視線が燃え上がる業火に焼き尽くされるかと思うくらい熱かった

何故、俺なんだ・・・・本当に参る、参るけど

『庵、一緒に帰ろう』
俺に笑顔で話してくる三宮司先輩を思い出す。

「あんなに懐かれたら離し辛いから・・・な」

「そんなの俺が許さないから」

「・・・・・え?」

声がした後ろを見ると、赤い髪を後ろで束ね、漆黒の黒真珠のような美しい瞳に白い肌
背は俺よりも高く、モデルのような美形が現れた。ただ立っているだけで存在感がある。

「君、独り言が多くて面白いね」
「・・・・あ」
俺、何時の間に声にだしていたのか!
「すみ、すみません!ご忠告、ありがとうございます」
「やだなぁ、そんな事で声をかけた訳じゃないさ。俺は君に言っておきたいことがあるんだ」
「言っておきたいことですか?」
「そう、俺の恋人に慣れ慣れしくしないでくれないかな?」

「・・・・恋人?」

 


この人の恋人って、こんな美形の恋人になれなれしくって・・・・・・

 


「三宮司先輩の恋人・・・・?」

男は笑っていた。最初から笑った顔で俺を見ていたが、それよりもより喜びが浮き出ている
そして、その逆の・・・・嫉妬の心も向き出ていた
「そうそう、分かってるじゃないか。君にばかり構って本命の俺はほったらかし」
「・・・・そういうの、本人に言っていただけません。俺は伝言板じゃないんですよ」
「無理だよ。だって彼は俺の存在に気づいていないんだから」

 

・・・・・・はい?

 

俺は一分間固まってしまった。存在に気づいてないのに恋人?
もしかして、この人・・・・三宮司先輩を勝手に脳内で恋人にしちゃっている系の人間!
神や女神に例える人間は見てきて慣れたが、
なんでまたこんな頭がいっちゃっている人間が出てくるんだ!

「えっと、俺はこれで失礼しますね」

逃げよう、うん。なんか面倒なことになりそうだ。喧嘩も面倒だが、この人は・・・・・

「あ、駄目だよ。君はこれから罰を受けるんだから」
「・・・・罰?」
「そう、勝手に人の恋人にベタベタして、なのに俺の存在は無視。可笑しくないか?
 君はただの取り巻きの一人なのに、可笑しいよ!可笑しい!!!可笑しいよなぁ!!!」
「・・・・・・そんなに三宮司先輩と仲良くしたいならすればいいじゃないですか?」
「わかってないなー、俺は彼をずっとずーっと見ていたんだよ。
 けど、彼は気づいてくれないんだ。運命の恋人のこの俺をだよ!
 だから、彼から気づくまで彼から俺の元に来てくれるのをずっとまっているんだよ
 なのに、楓は気づいてくれないんだ。手紙もメールも電話も何度も何度もしてるのに」

・・・・・こいつもしかして、いや、やっぱりストーカーって奴か?

しかも、思い込みが半端じゃない
今は好意を寄せているけど、それがいつ怒りに逆転するのか
こいつがだしたメールも手紙も電話も、多分・・・ファンとかに握りつぶされてるんだろう
三宮司先輩、確か・・・電車乗っていても痴漢撃退してたな
外見がいいって良いのか悪いのかわからない、だけど今わかっていることは

一番手っ取り早く

「一番邪魔だと思った俺を潰しにきたんだな、あんたは」

「ふふ、あはははははっ!!!そうだよ、だって可笑しいだろう?
 君ばかり楓のあの美しい唇から数多く名前を言われるなんてな!
 楓の隣は俺だろう?なのに、いつもいつもいつもいつもいつも!!!!」
「・・・・・俺への罰とはなんだ?」
俺がそういうと、男は笑っていた顔から無表情に変わった。
頭がイカレているが、顔が整っているので無駄に綺麗だが・・・不気味だと思った。
「君への罰は【死】だよ。これから始まる、罰は今までの比じゃないよ。
 なんてったって、病院送りじゃない、地獄に落とすんだからな!」
「・・・・・・」

そんなこと考えてるなら、三宮司先輩に話しかければいいのに

なんだか自分の危機よりも、目の前の男が哀れに見えた

脳内で恋人になってるのに、現実は存在すら認められないなんて

美形なのに、ストーカー哀れなり

「俺は三宮司先輩のただの友達です。あなたが思っているのはただの勘違いです」
「友達ねぇー」
「はい、友達です」
「ふふ、ふふふふふふっ」
「・・・・・・なんで、笑っているんですか」
男は顔を下に向けていて、顔が見えない。

 

声は笑っているが・・・その笑い声は寒気がした。

 


「えっ、もう庵は帰っちゃったの!」
『はい、なんだか用があるとかなんとか言っていて』
「そっか、ありがとう稲辺君」
『はい、それではこれで失礼します、三宮司先輩』

――― ぴっ

俺は携帯をきった。そしてため息を吐く。
この頃、庵と一緒に帰れていない
別に避けられているわけじゃないのはわかってる、何故かタイミングが合わないのだ

まるで誰かに邪魔されているような・・・・・

半年前からやたらとしつこかったストーカーがいた
全て無視した
どうせ、自分の外見しか見ない奴だからだ
しかし、ここ2週間音沙汰がない
その変わりに、庵と会えなくなった
今日も稲辺君たちと一緒に帰ったみたいだが

なんだ、この胸騒ぎは・・・・・

相手は誰だか調べればわかった
俺の通っている高校のエレベーター式であがれる大学の学生
名前は筒井律(つついりつ)
今まで、この手の奴は出てきても叩き潰せばよかった
だけど、そんな非道なことを庵に知られて嫌われたらと思うと怖かった
だから今回は躊躇していたが、どうやらそいつが俺に興味を持っている人間を
庵にたきつけていると情報が入った。
そんな人間なんとか説得して平和的に解決しているが、数が多すぎる

携帯がなった。どうやらメールがきたみたいだ。
誰から来たかと思って興味なさげに見てみると

「庵から!!!」

庵からメールだなんて、なんて久しぶりなんだろう
どうしよう、何が書かれているんだろう!
うきうきしながら、メールを開けた。

 

 

 

 

 

 


「一度、思い知らせるべきみたいだな」


「か、楓様?」

俺の近くで待機していたファン兼ボディガードの顔が青ざめていく
そして、その周りで待機していた人間もだ

メールには頭から血を流している庵の写真が載っていた
そして一言

『待っているよ、私の楓』

いや、思い知らせるなんて生ぬるい


「生きてきたことを後悔させてやる」

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