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・BL小説
・本編と関係ない番外編
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妻は死んだ夫の顔についた赤い血を小さな布切れでふき取りました
けれど、いくら拭いても夫の血は消えません
妻の目からは涙がボロボロと流れてきます
気づけば、布は真っ赤に染まりきっていました。
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『校舎の横手の木にハンカチが引っかかっていたから』
『真っ赤な赤いハンカチなんだけど』
俺が木の下であの人の事を考えていた所為で
木があの人を俺の所に導き、呪いをかけた・・・・
「非現実的な発想だな・・・・」
けど、今の現状が非現実的なんだからしょうがないか
「庵、準備できた?」
「はい、出来ました」
今日の朝になっても俺達は入れ替わったままだった。
だが、入れ替わっても明日は来るし、学校もある
俺達は別々に入れ替わったまま互いの学校に行く事にした。
楓さんとともにマンションを出て、マンションの前で待っている車に乗った。
高そうな黒塗りの車だ。
俺は楓さんに言われたとおりに運転手に告げて、学校に向かった。
昨日の一件を楓さんは決して触れてこない
それは有難かったが、楓さんの気持ちが無性に気になった
今、俺はこの人にどう思われているのだろうか?
楓さんは俺にいつも通りの対応をするだけ
変わった所なんてなかった
車が俺の学校につくと楓さんは運転手と俺に会釈とお礼を言っておりた。
「またね、楓」
「はい、庵さん」
いつもの笑顔が俺に返されて俺はほっとしてる
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車からおりて戸をしめると、車は俺の横を走り抜けていった。
庵が不安がっているのはわかっていた
けど、俺の何がそうさせているのかがわからない
庵に聞くにしてもきっと彼を傷つけるだろう
四方八方塞がりの俺は庵にいつもの対応をするほか思いつかなかった
他の奴だったら別に気にしないさ
けど 庵 が傷つくのは耐えられない
俺は庵の傍にいたいけど
「俺は庵に笑ってほしい」
「庵、おはよう!」
――― びくっ!!!!
俺は慌てて後ろを振り替えると、ここの学生の生徒が立っていた。
「そういえば、何、一人でぶつくさ言ってんの?」
「樹、何だよその口の利き方は!」
「え・・・いや・・・」
えーっとこの子は確か、庵の友達の・・・稲辺樹君と江田国雅君?
「はは、おはよう。稲辺君と江田君」
俺は冷静を装って相手に挨拶したが、その言葉を発した瞬間に相手は
困った顔をして俺を見てきた。そして、俺の耳元でそっと囁く。
『庵は俺を「樹」って呼んでますよ、楓先輩』
・・・・・え?
俺が驚いた顔をして彼を見ると、樹君は舌をペロッとだして俺を見ていた。
まるで悪戯がばれた子供のようだ。
「庵から事情は聞いているんで、学校内で判らないことがあったら聞いて下さい」
「俺の事は苗字で「江田」ってよばれています。何か困ったことがあったら言ってくださいね」
学校内に遊びに行った事はあったけど、授業やクラスメートとの交友関係が
あやふやで少し、不安だったんだけど・・・・
庵、心配してくれたんだ
ありがとう
俺は二人と共に校舎の中に入っていった。
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「楓様、少し話てもよろしいでしょうか?」
運転手が二人になったとたんに俺に話しかけてきた。
「いいですよ、何ですか?」
俺は楓さんらしく振舞うことに徹しようと思ったが、
どんな喋り方をすればいいのかわからない。
「先ほどの方は楓様のご友人でしょうか?」
「・・・・そうですよ」
「とても仲の良い方なんですね。
楓様があの部屋に足を踏み入れる事を許した方は
・・・・今まで一人としていませんでしたのに」
「・・・・・・・・」
楓さんがあそこに人を入れたのは・・・・・俺が始めて?
運転手はそんな俺の戸惑いなど知らずに、どんどん話を始めていく。
「奥様や旦那様すら中にはお入りになることは拒まれました。
私はてっきりご友人ではなく、楓様の恋人かと思いましたよ」
――― こ、恋人って・・・・
「俺に男の恋人か?」
「出すぎたことを申しました。申し訳ありません」
「・・・・・・・・・・」
楓さんほどの容姿ならそれもありだろう
違和感もさほどないし、相手も喜んで一緒いるだろう
けど、相手が俺だ何てことはきっとありえない
初めてあそこに人が入ったなんてそんなこと
俺はしんじはしない
そんな特別は俺にはいらないんだ
車が学校についたので俺は鞄を掴んで、車を降りた
門は俺の学校比べて、高く大きい。
門の両側には執行部という勲章をつけた学生が立っている。
俺は気にせずに門を通ろうとしたが、両側から「楓様、おはようございます」と
背を伸ばしたお辞儀・・・・他の生徒とは違う対応に驚いた。
「あ・・・おはよう、おはよう」
俺は混乱しながらも、二人に挨拶をしてスタスタと門を通る。
そんな俺の後ろでは「俺、目があったぞ!」「朝から楓様見ちゃったv」「挨拶してもらったぞぉ!」
などなど、なんだか大混乱な騒ぎが聞こえる
俺が教室に向かう間も、何十人という生徒に挨拶され、俺はそれに挨拶をして、周りが騒ぐ。
――― 何なんだこの学校は!!!!!!!!!!
楓さんの通う学校は明治からある、ブランド大学との姉妹校だ。
入るには頭も入り、金もいる入る難関な名門高校。
その中でも群を抜いて優秀な三人を、此処では「三大美人」と呼んでいる。
容姿もさることなら、勉学・スポーツ・礼儀作法など見て決められる学校を代表する人物だ。
噂では生徒会長よりも権限があるとか、ないとか・・・・・
今更ながら、場違いな立場と場所に俺は困惑している
なんとか教室につくが、ここで問題が一つ。
・・・・・・楓さんの席って何処だ?
クラスメイトに「俺の席って何処だっけ?」なんて聞くのは、
楓さんの評価を下げてしまいそうでできない。
だが、このままだと席につけない。
全員席に座るまで、待っているか?
・・・・今日、誰か一人でも休んだら二択だよ。
外れたら恥ずかしいじゃないか・・・・
あぁ~もっと手っ取り早くわかる方法はーーーーーーーー!!!
「楓の席は俺の後ろだからついてきなよ」
「・・・・・・・え?」
俺は声をかけられた方を見ると、見目の良い男前の生徒がたっていた。
髪は肩まであり薄茶の髪が太陽の光で輝いてる。
この人間にいいよられた人間はすぐさま陥没しそうなフェロモンも放っていた。
なんというか、外見は軽い男という感じもするが・・・・・
「ほら、突っ立ってないで席に座ろうぜ」
「・・・・へ、は?」
俺は腕を掴まれて、男の言う席に座らされた。
そして、男は俺の席の前に座る。
男は楓さんの机に腕をのせて、俺をニコニコと笑いながら見ている。
俺は緊張しながらも、席まで連れて来て貰ったのでこの人物にお礼をいった。
「あ、ありがとうございます」
「楓はお礼なんて言わないぜ」
「・・・・へ?」
「後、挨拶してる学生は無視して歩き去ればいい」
「・・・・は?」
「授業中は絶対に先生はお前に当てないから、安心しろ」
「・・・・え?」
俺の反応を見た後から、男は俺の耳元で小さく囁いた。
『楓から聞いてないのか?
お前が元に戻るまで学校での生活をサポートする、楓の幼馴染の津田栄治だ』
「・・・・サポート」
津田は俺から離れてまた、真正面から俺を見て笑った。
「そ、俺の事は「栄治」って呼んでくれ」
「あ、よろしくお願いします」
教室に先生が入ってくると、生徒は席につき授業が始まった。
栄治が言ったとおり、先生は俺に当ててこなかった
―― キーンコーンカーンコーン
「終わったー・・・・・・・・」
俺は昼休み、だれもいない屋上に連れて来てもらった。
此処の生活はしんどい。
誰も俺に話しかけようとはしないが、様々な視線がねっとりと体に絡みつく
生徒だろうが、先生だろうが
それは変わりはしなかった
・・・・・気持ち悪い環境だ
「あはは、楓が床で寝転んでやがるーめっずらしい」
「っとそうですね。ちゃんとしないと!」
誰もいないとはいえ、楓さんがこんな格好するわけないよな!
俺が急いで起き上がると、栄治はクスクス笑いながら俺に弁当を差し出す。
「はい、お前のお昼ご飯だよ。あ~、普段の楓じゃなくておもしれーは」
「あぁ、ありがとう」
お弁当を受け取ると、ずっしり腕に重みが伝わる。
・・・・・・・・何が入ってるんだこれ?
「俺の家、ちょっと高級めの旅館とかレストランを経営しててさ、
ちょっとそこのお仕事場の人に作ってもらったんだよ。うっまいぜ」
栄治は女が見たら叫びだしそうな甘い笑みを向けた。
だが、今の俺にはそれどころではない!
「・・・・・ちょっとって」
絶対にちょっとじゃないだろう
そこは絶対に、庶民じゃ入れない場所な気がする!
俺はそう思いながらも、お腹がすいたのには耐えられず弁当を開けた。
大きなお重箱4段重ね
中にはぎっしりと食べ物が詰まっているが
上品な作り、そして食欲をそそる匂いがした
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「・・・・・これ、食べていいんですか?」
「いいよ~、庵君のために作ってもらいましたからね~
ふふ、君の好きなものがたくさん入ってるでしょ?」
俺は弁当を広げた横に転がり、庵を上目遣いでニコニコしながら見ていた。
庵はそんな俺を見た後、すぐに弁当に視線を戻した。
顔は弁当を開けたときのまま 吃驚表情のままだ
「・・・・えぇ、それには驚きました」
「食べてみ、美味しいぞ~」
「はい」
庵はそういうと、もくもくと弁当に手をつけだした
外見は「楓」で中身は「新田庵」
昨日の夜、メールでそう説明文がきて俺は楓が冗談を送ってきたものだと思っていた
だが、疑う俺に楓は俺が秘密にしたい恥ずかしい過去を送ってきた
誰も知らない昔の話
知っているのは楓だけだった
正直、昨日はそんなメールだけのやりとりで半信半疑な面がまだ少しあったが
今、目の前の楓を見て納得する
あの『三宮司 楓』が俺の言うことを素直に聞いたコトがあったか?
その答えは『ない』だ
それに、楓ではありえない表情をする
楓がこの学校にいる間の表情は全て作っている
だが今、目の前にいるこの子は素をだしていた
信じがたいが信じるしかないだろう
――― ブーブーブー
俺は携帯にメールが来たようだ。
その音に庵は食べるのをとめて俺をみている。
新田庵。正直言って、前はあの赤髪やムッツリとした表情しかしらなかったので
あまり良い印象を持てなかったが、結構可愛い奴という印象を受けた
・・・・楓の外見効果も少しあるかもしれないが、それは余り考えないことにした
「気にせず食えよ、メール来ただけだからさ」
「あ、はい」
そう言うと、また庵は食べだした。
――― 可愛い~~~、食っていいって言ったら食った!!!!
俺はそんな風に心の中で叫びながらメールを開けた。
------- 送信者 三宮司 楓
庵の様子はどう?
嫌な目にあったりしてないか?
昨日送ったとおりのメニューを弁当にいれた?
後な栄治
お前・・・・庵を変な目で見てないだろうな?
庵がいくら可愛くても手を出したら
潰すからな
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「・・・・・・・・・・・・」
うわーこれこそ、俺の知っている楓だー・・・・
どうでもいい奴は本当にどうでもよくあしらって
使える奴は幼馴染だろうが下僕の様に扱う
・・・・・このメールの返事、きっと楓の奴そわそわしながら待ってるんだろうな~
愛しの庵君のことだもんね~、気になるよな~
送んなかったら面白いかもしれないが、後が怖いので送ろう
「栄治さん」
「・・・・ん、なーに庵君」
「量多いんで一緒に食べませんか?」
俺は顔を上げて庵を見た。
俺に見られてるからか余計にそわそわしている。
「その、持ってきてくれた人が食べてないのに俺だけ食べるのも・・・・」
「一緒に食べていいのか?」
「え、もちろんです!」
そういった庵は、楓がしない笑顔を返した。
その顔を見せてくれるのも、楓の幼馴染という立場の俺に気を許してくれた所為かな
「楓が心配するのもわかるわ~」
「・・・・・は?楓さん?」
「んにゃ、こっちの話だよ。よし、食って午後も平穏にやりすごすぞ!」
「えぇ、よろしくお願いします」